看護師が派遣として働けることを知っていますか?
他の記事でも看護師の派遣という働き方をおすすめしてきましたが、そもそも看護師が派遣で働くことが違法ではないかと不安な人もいると思います。
以前は看護師の派遣は禁止されていたため、現在も違法と思っている人もいるようです。
ネットで「派遣だと看護師の仕事はできない」などと書かれているのを見て、派遣で働きたいけど違法なのかなと心配している人のために、
”看護師の派遣という働き方、本当のところはどうなのか”
この記事でわかりやすく紹介していきますね。
看護師の派遣という働き方
自分の働きたい時間に、働きたい期間だけ働くことができる派遣という働き方を、魅力的だと感じる人も多いのではないでしょうか。
看護師の派遣という働き方について、詳しく見ていきましょう。
派遣は違法か
結論から言うと、看護師は派遣として働くことができます。
看護師の派遣が全面的に禁止されていたのは2006年以前のことです。
現在は就業できる場所に制限はありますが、看護師が派遣として働くことは違法ではなくなりました。
また、日雇い派遣は全ての職種で違法となっています。
看護師の派遣には単発の派遣が多くあるため、日雇い派遣に該当し違法だと思っている人もいるようです。
日雇い派遣
派遣会社との雇用期間が30日以内のものは、法律上、日雇い派遣に分類されます。
これは全ての職種で違法されています。
単発派遣
看護師の単発派遣は、雇用契約を31日以上とし、1~2日の単発案件を週3日以上の労働が見込まれるように複数組み合わせて違法とならないようにしています。
そのため日雇い派遣には該当しません。
派遣できる施設
先ほど就業できる場所に制限があるという話をしましたが、具体的には、医療機関以外の場所で行う看護師業務は派遣が全面的に解禁となっています。
医療機関(派遣NG)
- 病院
- クリニック
- 助産所
- 介護老人保健施設(訪問入浴介護、訪問予防入浴介護を除く)
- 患者の自宅(訪問看護など)
医療機関以外(派遣OK)
- 有料老人ホーム
- デイサービス
- 特別養護老人ホーム
- 社会福祉施設(保護施設、児童福祉施設、障害者施設など)
- 保育園
さらに条件に該当すれば病院やクリニックでも看護師の派遣として働くことができます。
- 産休代替
- 紹介予定派遣
紹介予定派遣
3~6ヶ月後に正社員などの直接雇用に切り替わることを前提とした派遣のこと。
派遣期間が試用期間となります。企業と派遣社員の双方が合意することで直接雇用契約を結ぶもので、紹介派遣されたからといって必ず直接雇用されるとは限りません。
違法な派遣で働いてしまったら・・・
基本的に働いた看護師が責任を負う必要はありません。
違法と知りながら派遣を受け入れた派遣先が、違法派遣によって失業することがないように派遣契約時と同じ労働条件で直接雇用するように、法律で定められています。
また違法派遣を行った派遣会社にも重大なペナルティが課せられることになっています。
看護師派遣の気をつけるべき4つのポイント
- 3年以上同じ職場で派遣として働く
- 無許可の派遣会社から派遣就業してしまう
- 派遣先が面接や書類選考などを行う
- 派遣会社が次の雇用を確保してくれない
これらは違法派遣となってしまいます。
看護師自身が責任を負う必要はなくても、違法派遣で働いてしまったというのは何となく後ろめたい気持ちになってしまうと思います。
そうならないためにも何が違法なのか、看護師自身もしっかりと知っておく必要があります。
また、派遣会社を選ぶポイントとしては
- 厚生労働省許可番号がある派遣会社を選ぶ
- 株式上場している派遣会社を選ぶ
と安心して働くことができるでしょう。
看護師が派遣で働くメリット
時給が高く、残業がない
派遣看護師の時給の相場は、1800円~2000円となっています。
雇用主が病院ではないため残業が少なく、シフトの調整もしやすくなります。
プライベートを重視している人には嬉しいですよね。
また、仕事の専門性は派遣も正社員も変わりませんが、責任の重い仕事や委員会、勉強会などは免除されることが多いです。
人間関係の悩みが少ない
特定の職場で長く働くことがないため、人間関係のトラブルが少なくなります。
看護師ってみんな少なからず人間関係で悩んだことがあると思います。
中には人間関係で悩みすぎて退職してしまう人もいるほど。そんな人には短期間で人間関係もリセットできる、派遣という働き方は合っているのではないでしょうか。
色々な経験ができる
派遣という働き方は、短期間で働き方や働く場所を変えることができます。
そのため、やってみたかった分野や働いてみたかった職場など色々な経験することができます。
新しい分野に挑戦したいと思っている人は、まずどんな感じなのか、自分に合いそうかなどを確認することができるのは嬉しいですよね。
経験してみてわかることって多いと思います。だから未経験だけど挑戦してみたいと思っているなら、まずは派遣で試してみるのもいいのではないでしょうか。
看護師が派遣で働くデメリット
昇給やボーナスがない
派遣の場合、昇給やボーナスはありません。
しかし時給が高いため、年収で見ると正社員と比較してもそこまで差はありません。
20~30代では給与が高く感じるかもしれませんが、年齢を重ねてベテランになると昇給などがない分、金銭面で物足りないと感じることがあるかもしれません。
スキルアップが難しい
派遣の場合、「スキルのある助っ人」という立ち位置で働かなくてはいけません。
1から教えてもらおうというような考えではいけません。ある程度の知識とスキルがなければ、派遣として働くことは難しいでしょう。
また勉強会なども免除されるため、働きながらスキルアップすることは難しくなります。自らスキルアップのための努力ができない人には向かないでしょう。
安定性に欠ける
働けば働くほど収入が多くなる派遣ですが、働けなくなった時には一気にピンチとなってしまいます。
普通の正社員であれば、雇用保険に加入しているため働けなくなっても給付金が支給されます。傷病手当や育児休業給付金なども雇用保険に加入しているからこそもらえる給付金なのです。
派遣でも社会保険に加入することができます。しかし、単発派遣の場合雇用保険には加入できない、厚生年金・健康保険は2ヶ月以上の派遣契約期間が必要などいくつかの条件があります。
わかりやすく表にして見てみましょう。
雇用保険 | 厚生年金 | 健康保険 | |
単発派遣 | × | × | × |
単発派遣(契約が31日以上、週20時間以上労働) | ○ | × | × |
短期派遣(契約が2ヶ月未満) | ○ | × | × |
短期派遣(契約が2~3ヶ月)、長期派遣(契約が3ヶ月以上) | ○ | ○ | ○ |
紹介予定派遣(契約が2ヶ月未満) | ○ | × | × |
紹介予定派遣(契約が2ヶ月以上) | ○ | ○ | ○ |
今まで社会保険に加入していた人が国民健康保険に切り替わると、扶養家族がいる場合には扶養から外れてしまったり、出産手当や傷病手当が受け取れなくなったりするデメリットもあります。
その場合には、健康保険任意継続という方法をとることもできます。
また、これから妊娠・出産を望む場合には注意が必要です。もちろん取得する権利はありますが、条件を満たしていないといけません。
産休・育休を取得するための条件
- 最低でも過去1年間は同じ派遣会社と雇用契約にある。
- 生まれてくる子どもが1歳を迎えたときの派遣先が前もって決まっている。
このような条件があるため、派遣として働いている場合には、産休・育休の取得には高いハードルがあると知っておく必要があります。
ママナースが働くならどっち?
派遣が向いている人
- 稼ぎたい
- 人間関係に悩みたくない
- 自分で休みを調整したい
- 福利厚生が整っているところで働きたい
派遣の場合、派遣会社に登録して働いているため病院と直接やり取りすることはありません。
福利厚生も派遣会社のものが適応されます。
子どもの保育園や学校の予定に合わせて、自分のタイミングで休みを調整できるため子育て中でも働きやすいでしょう。
ただし、先にもお伝えしたようにスキルアップが難しい、安定性に欠けるなどのデメリットもあります。
パートが向いている人
- いずれは正社員(常勤)看護師として復帰したいと思っている
- 今は融通の利くスケジュールで働きたい
派遣とパートは似たような働き方に思われがちです。
パートは派遣に比べて時給が低くなりますが、将来的に正社員として働き方と思っているのであれば、パートという働き方を選択するのも悪くはありません。
病院との直接雇用であり、病院や診療科によっては残業をしなければならない場合もあります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえて、自分の優先したいものはどこにあるのかをしっかり考えて、働き方を選んでみるとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
看護師派遣は違法でないが、派遣できる施設や条件があること、派遣として働くメリット・デメリットなどをわかりやすくまとめてきました。
ママナースとしては、働き方は悩むところではないでしょうか?
お金も大事。
子どもとの時間も大事。
看護師として経験も大事。
働かなければ生きてはいけませんが、自分が何を重視するか、今後どうなっていきたいかで働き方は変えることができるものです。
そんな働き方に悩んでいるママナースが、自分に合った働き方を選択するためのきっかけとして、この記事を読んでくれたなら幸せです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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