透析専門のクリニックが最近多くなっていると感じませんか?
実は、私の家の近くにも透析専門クリニックがあり、転職先の候補として考えています。
透析看護師は病院の透析室や透析センター、透析専門のクリニックなどで働いています。
比較的専門性が高く、一般病棟で働いていた看護師にはどんな仕事をしているのかイメージが持てないと思います。
転職してから後悔しないためにも、転職する前にどんな仕事をしているのか、どんな人が向いているのか、透析未経験でも働けるのかなどについて紹介していきたいと思います。
透析看護師の仕事・役割
透析室や透析センター、透析クリニックなどでは一般的に血液透析が行われ、透析看護師は主に血液透析に関わる仕事をします。
透析看護師の仕事内容は大きく分けて3つあります。
透析の準備・穿刺などの医療行為
透析看護師は、透析の準備から透析中の医療行為全般を行います。
- 人工透析機械の準備(プライミング)
- 患者の状態チェック(体重や血圧測定など)
- 透析用に造設された血管(シャント)に針を刺す
- 血液浄化開始
- 抜針
- 止血
上記のように透析看護師は一般病棟や外来の看護師とは全く違う業務を行います。
透析看護が未経験であれば、はじめは覚えることが多く、医療行為の度合いも強いためプレッシャを感じてしまうかもしれません。
ただ慣れてしまえば、仕事内容や手順は決まっているためルーティンワークが苦痛でなければ、働きやすいとも言えます。
透析中の看護(体調管理・観察など)
透析中の患者は血圧低下や気分不快を起こしやすいため、体調管理や観察も重要な仕事となります。
透析クリニックでは比較的安定した患者が多い一方、入院施設のある透析室ではハイリスクな患者も多くなります。
働く場所によって患者の重症度も変わってくるので注意が必要です。
患者の健康管理・生活指導
透析患者は体重管理、食事制限、内シャントの管理など通院時以外にも日常生活で気をつけなければいけないことがたくさんあります。
そのため患者の健康管理や生活指導は、患者のQOLや予後に直結する非常に重要な仕事と言えます。
透析看護師は透析に関する知識とともに、患者に約束事を守ってもらえるようなマネジメント能力、コミュニケーション能力も必要となります。
透析看護師の1日の流れ
透析は患者の生活スタイルに合わせて行われるため午前・午後の2クール、あるいは午前・午後・夕方の3クールなど、医療機関によって異なります。
2クールの医療機関であれば、基本的には日勤のみで働きやすいと言えるでしょう。
3クール行っている医療機関では準夜帯の勤務もあり、終わりが22時~23時となることもあります。
1日のスケジュール
透析看護師の1日のスケジュールを見てみましょう。
実際の仕事のイメージがわきやすくなると思います。
8:30 出勤・申し送り
8:45 透析準備(プライミングなど)
9:00 穿刺、透析開始
9:30 透析中のバイタルチェック
11:00 返血(体外に出した血液を体内に戻す作業をして止血)
12:30 透析後のバイタルチェック、記録
【ここまでで1クール終了】
13:00 昼食
14:00 午後も同様のサイクルで1クール実施
17:30 退勤
2クールの医療機関ではこのような流れで1日の業務が行われています。
透析看護師が向いてる人
- 仕事と生活のバランスを取りたい。
- 透析看護師として専門性を高めたい。
- 患者一人一人と長く深く関わりたい。
- ルーティンワークが好き。
では、1つずつ解説していきますね。
仕事と生活のバランスを取りたい
基本的に透析看護師は、日勤で休みもしっかりとれるというメリットがあります。
勤務先によっては準夜勤務のある職場もありますが、病棟で働く場合に比べると体力的な負担は少ないと言えます。
透析は基本的に時間が決まっているため、突発的な事態や残業はほとんどなく、ママ看護師には働きやすい環境と言えるでしょう。
透析看護師として専門性を高めたい
透析看護師の仕事は透析に関係することだけになります。そのため専門性を高め、透析の分野で新たな資格を取得し、キャリアアップしたいと考えている人にはおすすめです。
新たな資格として例えば、透析認定看護師や慢性腎臓病療養指導看護師、透析技術認定士などがあります。
広く浅く看護するのではなく、1点集中で特化しスキルアップしたいと考えているママ看護師には、やりがいを持ちながら働ける環境ではないでしょうか。
患者一人一人と長く深く関わりたい
透析治療は通常、1回4時間の透析を週3回通院して行います。
治療は亡くなるまで継続して行うため、透析患者の多くは、何年~何十年も透析のため通院しなければなりません。
この期間、1人の患者に密に関わりながら長く付き合い、看護を行えるというのは他の分野にはない特徴です。
そのため、患者一人一人とじっくり向き合い看護したいと考えている人にはおすすめと言えるでしょう。
ルーティンワークが好き
看護師は、変化多い仕事です。突発的な事態やそれに伴う残業は、もはや当たり前となっています。
しかし中には突発的な事態への対応が苦手だったり、予定通りに仕事が進まないことを苦痛に感じている人もいるでしょう。
その点、透析看護師は始めに覚えることは多いですが、一度覚えてしまえば後はルーティンワークとなります。
ルーティンワークの方が集中して仕事に取り組めると言う人の場合には、透析看護師はおすすめです。
透析看護師のデメリット
透析看護師が向いている人について、透析看護のメリットも踏まえて解説してきました。
ここまで読んで、透析看護師に魅力を感じている人も多いのではないでしょうか?
でもまだ転職を決めてしまうのは待ってくださいね。
透析看護は他の職場にはない、独特のデメリットがあります。ここをしっかり確認してから転職を考えても遅くはありません。
働いてから後悔しないためにも、透析看護師のデメリットについても解説していきますね。
- オープンフロアという仕事環境
- 機械操作を覚えなければならない
- 穿刺が難しい
- 単調作業で刺激がない
- 長く働くと他の分野で働くことが難しくなる
- 関わり方の難しい患者への対応
では、1つずつ解説していきますね。
オープンフロアという仕事環境
透析する場所の多くは、オープンフロアとなっています。
オープンフロアでは、お互いの動きや仕事の状況が見えやすく、患者との会話や言動も筒抜け状態です。このような状況が原因で、人間関係のトラブルになってしまうこともあります。
また、患者からも常に声をかけられる環境のため、患者対応に時間を取られ過ぎて仕事が進まなくなってしまうという面もあります。
病棟とは全く違う環境のため、オープンフロアという環境がストレスとなる看護師も多くいます。
機械操作を覚えなければならない
透析看護師の特徴として、通常病棟勤務では使用することのない人工透析機械の操作を覚えなければいけません。
機械操作は覚えるまでは大変ですが、毎日行う作業ですし、慣れてしまえばルーティンワークとなります。
機械操作が苦手で物覚えが極端に悪いと言う人にとっては、デメリットと言えるでしょう。
穿刺が難しい
透析では15~18Gを使用し、通常穿刺する血管とは太さや血流が異なるシャントへ穿刺します。
透析看護師としてしか使わない特殊なスキルですが、毎日行うことですし、回数を重ねることで針やシャントの扱いにも慣れてくるものです。
単調作業で刺激がない
透析看護師の仕事は基本的にルーティンワークです。
初めに覚えることは多くありますが、慣れてしまうと単調で刺激がないと感じてしまうかもしれません。
急性期病棟や救急などで働いていた経験のある看護師にとっては、やりがいを感じにくくなってしまうかもしれません。
長く働くと他の分野で働くことが難しくなる
透析看護師の仕事は、透析に関することだけになります。そのため一般病棟で行うような看護業務をする機会はほとんどありません。
一旦透析看護師として働き、透析の分野で専門性を高めてしまうと、他の分野で働くことが難しくなってしまいます。
1つの分野で専門性を高めたいと考えているならば問題ありませんが、色々な分野を広く勉強したいと思っているのであれば、あまりおすすめできません。
関わり方の難しい患者への対応
透析患者は1回4時間、週3回の透析の他に食事、水分などの自己管理、合併症の不安などのさまざまなストレスを抱えています。
透析は一生続く治療のため、このようなストレスから気むずかしい患者も少なくないと言われています。ストレスの矛先を看護師に向け、理不尽に攻めてくる患者も中にはいます。
一人一人の患者とじっくり関われるというメリットは、それだけ患者と近い距離で深く関わる看護師への負担も大きくなるということなのです。
患者対応についてはどの分野、どの職場でもあり得ることなので、透析看護師だけに当てはまるデメリットとは言えないでしょう。
新卒や未経験にはハードルが高い?
少し特殊な業務の多い透析看護師ですが、新卒や未経験者では働くことが難しいのではと思った人もいるでしょう。
その辺についても解説していきますね。
透析看護師は他の分野の看護業務と異なり専門性が高いため、新卒で働く場合には止めた方がいいでしょう。
新卒でいずれ透析看護師になりたいと考えているならば、まずは一般的な看護業務を学べ、透析についても学ぶことのできる腎臓内科で働いてみるとよいでしょう。
また透析看護未経験の場合にも、小さなクリニックの場合、採用されるのが難しい可能性があります。
透析クリニックでは基本的に教育に時間はあまり取れないため、即戦力となる人材を求めており、経験者のみ募集している場合も多いためです。
それでも透析看護挑戦したい場合には、教育体制の整っている大手の透析クリニックなどを探してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
透析看護師の仕事内容や向いている人、デメリットなど理解できたのではないでしょうか。
一般的な病棟看護師とは違い、特殊で専門性の高い透析看護師として、キャリアアップしていくのも1つの道ではあると思います。
しかし、特殊で専門的であるが故のデメリットや転職の難しさもあります。
自分がどんな働き方をしたいのか、これからどうなっていきたいのかについてしっかり向き合い、転職を考えていけるといいですよね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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